オカンの手術 4

(続き)


話しは脱線したが、まだオカンが歩けてた頃

平成7年に入院先の病院のベッドから落ちて

左大腿骨を骨折した

その時、担当の男性のケースワーカーに言った

ベッドから何度も落ちてたのに何故ベッド柵をしてくれなかったのかと

病院に責任があるだろうと

そしたら血相変えて言われたのは
「病院の落ち度と言うならこちらにも出方があります」

と言った内容のことだった

まだ精神的には入院が必要な状態であるにも関わらず

退院させられるかと言う勢いだった

それを言われたらこちらも黙るしかない

悔しかった

人工骨頭を入れる手術はしたけど上手くいかず

結局、オカンは車椅子生活になった


今回、叔父も憤慨して私に言った
「病院におって怪我したら病院の落ち度やんか!」
「そんなもん損害賠償請求したらええねん!」

でも、退院させられたら誰があのオカンをみるのだ?

それに今更と言うのもある

骨折しなかったとしてもどうせ歩けはしなかった

今更なのだ

私だって、足元のおぼつかない人間に、何故薬で寝かせてる人間に

夜間や早朝の看護士の目の行き届かない時間帯にまで

ポータブルトイレを使わせてたのかと言う

憤りは勿論抱いた

でも、言えばきっと退院を迫られる

患者や家族は所詮弱い立場だ

訴訟大国のアメリカならいざ知らず

ここは日本だ

日本に住む一庶民がいくら吠えたって

負け犬の遠吠え

叔父のことにしてもそう

身内がどんなに大変なことになろうが

医療者に強くは出れない

負け犬は負け犬らしくしてなきゃならない

こんな現実クソ喰らえだが


世の中に対する不信感

周りは全て敵

そんな図式がまた私の頭ん中を占める

従順に、いい子を演じていたら今まで通り

腑煮えくりかえってても、表に出さなければしまい

これが大人になることだと言うのなら

私は大人になりたくない

年齢は成人してから今年で15年も経つんだから

今更大人は嫌だとほざいても、ちゃんちゃら可笑しい話しだけど


とにかく私にはこんな人生しかない

もう回復なんて出来ないでも構わないから

逃げ出したいわ