セルシンさえも1

今朝も7時15分にしか起きれなかった

そしたら起こしたはずの娘が布団でごそごそ
「何してんの!」

と慌ててパンを食べさせた


起きてやらない私が悪いのだが着替えておいてくれたらゆっくり朝ご飯できる

私もパパも朝は食べられない

だから余計に立ちくらみがする


掃除機と洗濯だけして奮える体になんとか言い聞かせクリニックに向かった

朝からテンパっててどうしようもない焦燥感に襲われていた


ついてすぐ看護長を探した

いなくて看護婦さんに「注射と点滴」

となんとか言った

ジアゼパムを飲んで2時間半

一向に効いて来なかった


注射して貰える事になり助かったと思った

でも点滴も済み診察もして貰ったのにまだ治まらない奮え

セルシンさえも効いて来なかった

煙草を吸って時間稼ぎをしても治まらない


ワーカーが通りががりに声をかけてくれた


パパの事を話す
「旦那さんの負担を減らす努力は必要かもしれません」

と言われその通りだと涙ぐんだ


それでも落ち着かないので忙しい看護長のいる部屋をノックした

手を止め話しを聞いて下さった

パパの鬱の具合

私の焦燥感

ホリゾンさえ効いてこないくらいしんどいんや」
「今は飯も作れない」
「底やと思う。後は上がってゆくだけや」
「今はこれで仕方ないと思ってて」

と言うような事を言われたように思う

うろ覚えなくらい泣いてた

貴重なお時間を頂いて少しマシになった


煙草を吸ってもう少し落ち着くのを待った

顔見知りのおっちゃんがしょぼくれてた

お兄さんが亡くなり今日葬儀だったらしい
「行かれへんねん」
「辛いですね…。」

と話しを聞いて涙がまた出そうになった


私も今、岡山の祖父母に何かあっても動けない

こんな精神状態ではどうしようもない

そう重ね合わせて痛みを持った


11時も近付き帰りたくなかったがクリニックを後にした

帰りの電車で私は何をしてるんだろう?

とボーっと思った


(続く)