基礎講座29回目 2

(続き)


ほんまに『死』に至る病気と言うのは自分がアル中だと認めてクリニックに頻繁に

通うようになり知ってる人がどんどん亡くなるのを実際に聞いた

喪失体験を何度もした

嫌でもさせられる

これがこのアルコール依存症と言う病気の現実である


先程のような段階にいるアル症者はたとえ専門病棟に入っていても

周りの人は間違いなく依存症だが自分だけは決してそうではないと考える

場違いな所にぶち込まれたと考える

内科的病気を治す事に夢中になったり仕事の遅れを取り戻す事ばかりを気にして

「飲酒問題から目を逸らそうとする」

私は正にコレだった

だから認められなかった

過去形で言い切りたいが、現在もまだ何処か心の隅っこでは

まだこの否認の気持ちの火種はある

きっと無くなる事はないんだと思う


今日、義母とうちの一家で買い物をして

スーパーでその他雑酒が6缶パック、600円を切っていた

パパは母親に勧められ私の顔色を見ながらも2パック購入

して貰った

帰宅して私はパパに頼んだ

「飲み切れる分だけ冷やして」
「冷蔵庫に入ってたら危ないから」

でも止め始めてから初めての買い置きだが飲酒欲求は随分落ち着いているように思う

だからと言って無防備になるつもりもない

「私はアル中」

モノを見る度に言い聞かせてる

飲めばどうなるかを思い出す

アルコール依存症と言う病気を知ってから15年間
「自分は違う」

と否認してきた

その余りにも滑稽でバカげた考えを、恥ずかしさを忘れないようにする

自らのアディクションの数々を振り返り心に刻む

娘に対する暴力を思い出し、その余りにも酷い行為を身体レベルで思い出し

さっきかなり動揺した

幼稚園にファンデーションを塗っていかないといけないくらいにビンタした事

それも2回も

この恐ろしい出来事は自分の中で風化させてはいけない

絶対に

今、私は躁状態かも知れないが
(って先生には「軽い躁状態の方が生活しやすいやろ?」と聞かれたから躁状態だろう)

娘に対して当たる事がかなり減った

コレだけは良い状態だと思いたい

でないと今の自分にも何一つ救いがなくなるから


(続く)