恨み事 2

(続き)


仮にも実の娘が自殺未遂した直後にそんな話するか!?

と神経を疑った

その前に一度5万貸したこともあった

自分が贅沢三昧して浪費しておきながら反省もせず繰り返す

親父のこの癖は死ぬまで治らんのだろう

一緒にクリニックに通う叔父はつつましやかに暮らしてる

躁状態になったら浪費するが

けれど父は違う

働くことを殆どせずスナックを渡り歩き、そこで知り合った人間に

商売で騙されて1億からの負債を抱えて倒産した

私は人に話すのに
「父さん倒産しちゃったよ」

とお寒いギャグを飛ばしたこともあった

後は継母であるお茶とお花の先生だった祖母に甘えて

財産根こそぎ吸い尽くした

だから祖母は亡くなる直前に私に言った

「養子縁組みしてないから、私が死んだら財産は○○にはいかない」
「私が死んでから苦労したらええねん」



さすがにその事実は父には言えなかった

でも祖母の復讐は亡くなってから6年して果たされた

祖母の妹が父の住む自宅を競売にかけたから

父は逆恨みしてたが自業自得だと思った

私も鬼やなって(苦笑)


父はその後脳梗塞をやり今まで食べたことのなかった

青魚や野菜を自分で調理して食べてると手紙がきた

父の手紙はいつも哀れみを乞うような内容で反吐が出そうになる

だから私も真似してやったこともあるが伝わらない

つくづく自分のことしか考えてないやつだと思った


お年玉のポチ袋にはデカデカと
「父より」

母の父に対する怒りを刷り込まれた影響もあるが

名前だけの父親やと思った

離婚した最初の頃はよく面会したが、私が反抗期を迎えた時

あいつは逃げ出した

ちょうど母も精神的に悪くなり入退院を繰り返してた時だ


父に対する恨み事の根源には
「母のことで辛かったのに助けてくれなかった」

と言うのがある

父は私と弟と面会中に母が目をつり上げて追いかけてきたら

「来た来た来た!!」

と恐れおののいて車を移動させた

あんたはアレと暮らしてないからいいよな

と思った

街の人と同じ目で母を見るのにも腹が立った


(続く)