そこは私の場所やのに

あれは何歳の時か?

叔父が躁状態になりほたえ出した

私は小学生で机にお菓子の空き缶を入れそこへ自分で買った

駄菓子を入れていた

叔父は私をおちょくり、その缶から駄菓子を盗み自転車で逃亡

私は
「こらーっ!!」

と真剣になって逃げる叔父に怒鳴った


ある時は叔父は近所の女の子と凄く仲良くなり

遊んでやっていた

その子は私より年下で少し生意気だった

その子を肩車する叔父を見て、その子に嫌悪感が湧いた

そこは私の場所やのに

叔父を取られたと嫉妬した

もう私は肩車してもらえない年齢になってたのに


掃除機をかけていたら叔父から電話があった

着信拒否なので留守電に切り替わる

「くじらのすけちゃ〜ん。おっちゃんやけど〜。」
「たまには電話してきてくださ〜い」

と少し気恥ずかしそうな声で入った

この電話も何度受け取っただろう

電話に出ないことを叔父は怒り見捨てられるのか?

と言う不安も常にある

だけど今回も見捨てなかった

安心と悲しみ

両方


今、叔父の過去話しに付き合ったら

私はまた確実に堕ちる

母への恨みも聞くことになり

また思い出したくもないのに思い出し

それに捉われる

だから叔父は酒飲んでるかも知れないと正当な理由を付けている

けれど悲しい


両親が離婚してから近所の祖父母宅に住んでた叔父が

風呂に入りに来るようになった

父親がいなくなり男親を求めてた私と弟は

それがとても嬉しかった

一緒にご飯を食べて少し遊んでもらう

宿題も見てくれるのだが算数がまるでダメな私は

よく
「アホー!」

と怒られて泣かされた

叔父が帰る時は弟と2人して叔父の足にしがみつき

「帰らんとって〜」

とだだをこねた


叔父が躁で怒り狂い玄関の戸をガンガン叩いた

凄く怖い叔父

私は何故、叔父が怒ってるのかその時は分からなかった

きっと私が何かアカンことしたんや

と、真っ暗にした家で母と弟と3人で帰るのを待った

叔父が3年前に躁になり電話を付き合って

母への怒りからだとやっと分かった


悲しいなぁ

病気だと分かっても悲しい