娘にも神さまはついている 3

(続き)


母が狂った時には日頃から溜め込んだ恨みや怒りが爆発するが

とにかく隣を目の敵にしていた

物件を何回目かに見に行ったらなんと

うちの隣の人が「うちがもう買うんやけど」と出てきたのだ

どこまでも腐れ縁だと母は苦笑いしていた

だけどそういった物件だと判明してから母は勝ち誇ったようになって諦めた

そうして私は転校せずには済んだ

何故そこまで転校が嫌なのか

子供の時から変化がとにかく苦手だったんだろう

一貫性がない家庭だから

何とか保とうと躍起になった私だから


なので娘が胸を痛めているであろうことはよく分かる

しかし、娘は我慢の能力も高いと言われる子

そこらは私と違う

溜め込んでるはず

私みたいに小出しに出来ないと将来が怖い

それを思うと本当に私も胸が痛かった

だからこそ、パパさえしっかりしてくれていたらと

人のせいにしたくなり、攻撃メールも金曜日はしてしまった


伏線が長いが、今朝の思いつき

費用がかかるってことで、新しく物件を探すって選択肢が

私にはなかった

だが、こないだ預金通帳からかき集めてみたら

まだ何とかなるくらいは残っていた

夏には物件がなく校区外になったが

あれから半年以上

可能性はある

そんな思いもあったから仲間には探してみようかなぁ?

程度のメールはした

ライフに寄った時、隣はお世話になった不動産屋

聞くだけでもと買い物を止めて入る

まだ秘密基地に住んでることに多少驚かれる

そら2、3ヶ月と言ってたんだもんよ

私も自宅に戻った暁には報告とお礼を兼ねて行くつもりだったが

一向に自宅に戻れないままなのだ

この不動産屋のネェチャンには

うちらなら何かまた元に戻れるよって夏に言われた

パパって憎めない人ですからって

いろんな人に言われるよなぁ

けど、一旦解散

もしかしたら永遠に解散なのだ


聞いたらやっぱり月日は経っていた

物件があったのだ!

費用はかかるが娘の神さまがちゃんと用意してくれていた

いきいきに迎えに行き報告

どんな汚いマンションでも良いと


(続く)