過去に生きる 1

今現在を生きられない

過去が過去にならないままだから

こないだ、ぐちゃぐちゃになって電話した仲間には

「あなたが赦せなくても神さまが赦すから」

とそういう例え話しをしてくれた

過去を無理やり受け入れようとしないことも、どうやら『手放す』方法のひとつでもあるらしい


平成7年

何月かまでは忘れた

もう旦那との付き合いは始まっていた

よく面会にも車で連れてってくれ、その車で待っててくれた

ひとり暑い寒いに耐えながら、重い荷物を抱える日々から解放された

旦那が荷物を少し背負ってくれたのだ

そういう本来経験しなくていいことに巻き込んできた

普通、これで結婚までしてはくれないだろうに

私に「『結婚してくれなきゃ殺す』と脅された」ので結婚までした

これは冗談とわかってるだろうけど、旦那には多少そんな気持ちがあるのも本当だろう

私、怖いから

でも何かをちょっくら真似して言ってみただけだったんだが

旦那は本当に怖かったんかもな

私、怖いから


母がベッドから落ちて骨折して、このままでは寝たきりになるかも知れないと電話がかかってきた

慌てて二人で飛んでって、私だけで対応

手術しないと寝たきりと

まだ50歳過ぎ

なんでこんなことまで起こるかな!?

入院させてる罪悪感もたっぷりあるのに、なんでよ?って思った

当然言わずにおれなかった

「何回も落ちてるのわかってて、なんでベッド柵をするとか対応してくれなかったんですか!?」

男のワーカーだったが、みるみる血相を変えて
「そちらがそういうことを言うなら、法的措置を取りますよ!」

こちらは退院させられても母はまだまともじゃないから困る

黙るしかない

子供だから

もう成人してたが、20代なんかガキだ

しかも女だ

舐められてる

わかってても、こちらは金もなけりゃ知恵も相談出来る人もいなかった

祖父母は
「年寄りじゃからわからん」

が口癖だし、自分も成人してるのだから、責任を負わないとと思ってた

世間なんか何も知らない若僧なのに


病院にはそれ以上は何も言えないし、どうにか手術する病院を当たってもらった


続く