忘れてるわけじゃない 1

震災のことを忘れてるわけじゃない

だけど引っ張られて不安になって、固まってるわけにもいかない

目の前の日常をこなしていくことしか出来ないのだから

やはりそれをやっていくしかない


不安定になって意識的にテレビからまた遠ざかるようにした

携帯のニュースは短文で映像もなく、強烈さは少ないのでそれだけにしている

義援金も僅かながら送金したが、受付があるまで継続的にしようと思う

ほんとそのくらいしか出来ないから


自分がある程度元気でなけりゃ、そういうことすら出来なくなる

なんとか仕事を続けることも、元気でなけりゃ出来ない

引っ張られやすい病を元々持ってるから

忘れてるわけじゃないけれど、意識して距離を置いた


こないだクリニックに行ったらミーティング後のテーマが、まだ白板に残ってた

『酒が頭をかすめる時』

だったと思う

震災から1週間くらい?経った頃か

強烈な飲酒欲求ではなかったが
『酒飲んで…。』

とか頭をかすめた

それは途方もない災害に対して、無力もいいところな自分が

何か有力になれる方法を無意識に考えたんだと思う

勿論、冷静に考えたら酒こそ無力なんだが

おかげさんで、ほんの一瞬のことだった

すぐさま
『私が飲んで何になるよ。ただ周りに迷惑かけてむちゃくちゃなって終わりやん…。』
『コントロールでけへんのやから』


震災の翌朝

津波で流された遺体の数が200〜300体と携帯のニュースを見て

ほんとに自分が淡い希望を持ってたことを突きつけられた

みんな避難出来たと思いたかったが、一夜明けて現実はそうだった

ほんとなんとも言えない無力感

そういう積み重ねが飲酒欲求だったんだろう


まず自分を守る

それが出来なきゃ人助けなんか出来ない

関西は普通に生活してるけど、やっぱり皆、忘れているわけじゃない

病気でない人々も無力感を味わっている


4月2日から関西の電車も間引き運転になる

車両点検のための部品が、震災の影響で被災した地方から入ってこないから

先週これも携帯のニュースで知った

今日国鉄(JRといちいち文字変換に疲れた)に乗ってたらアナウンスもあった


続く