半年 1

母の余命宣告から、厳しいと言われた半年

今日で半年

食事量も随分減って、QOLも随分落ちてしまったが

まだちゃんと生きている


だけど、今日は病院でべそをかいてしまった

行ったら母はベッドでお尻洗浄してもらってたから待っていた

終わって母に挨拶

目の焦点が合わない

不安になる

話しかけても私と認識していない

「誰かわかる〜?」

にしばらくして
「通りすがりの〜」

必死で不安を隠して笑って突っ込む

「私や私!あんたが生んだ子供や」
「ここん中に昔おった子や」

と母のお腹をさする

母も泣きそうになってやっと認識してくれた

だけどやりとり全てが認知症みたいになっていて、泣けてしまった

看護師さんが
「○○さん!ガリガリ君食べる?」

でニンマリしたから持ってきてくれた

だけど私は泣くのを我慢出来なくて、看護師さんに任せて外出

タバコを持ってくるのを忘れていたが、途中で買ってきた

でもライターがないからもったいないが100均に行った

サングラスかけて

道々も泣きじゃっくりしそうになるも、必死で抑える

だけど『このままいっぱい泣こうか?』とも思うけど、やっぱり収拾がつかなくなるから引っ込める

随分、私も成長したなぁ

自画自賛


師長と話す

また泣いてしまう


それから病室に行き母の側に椅子も持ってきて座った

漫画の最新刊を1話、朗読してあげた

漫画の朗読はこっ恥ずかしいもんだ


しばらくして
「後2日…。」

「ん?何が2日なん?」

言葉と言葉の間に忘れてしまうみたいで、毎回母は固まるが

「私の命…。」

と言って泣き顔になった

「誰が言うたん?そんなん先生から聞いてないで?」
「夢やろ?」

と、これまた嘘をつく

いや、嘘じゃない

2日とかは聞いてないもの

だけど、騙してることに変わりない

やはり察するもんなんだろうか?

忘れてしまうことだらけながら、泣くことが増えているし

鬱みたいに気弱

体も気力がないから余計に衰えてしまい、お茶すら自分で持てない

こないだから私に
「やって」

が増えていたが、もう頼みもしないで訴えるのみ


続く