半年 2

続き


何を察したのか?

不安だらけながらまた隠して笑って否定する

漫画を朗読したのも前後は忘れてしまうくらいに、私も時間の感覚がわからない

そういう空気も病院にはある


生理痛は服薬して耐えた

痛いのまで我慢出来ない


夕飯の食事介助はしたが、私の要領も悪いし

母の食欲もないし、何より嚥下が困難になりつつある

お茶などの水分が一番むせるみたいだ

だから、チビチビあげてたら遅くなったし

母がもう拒否したから10のうち3くらいしか食べられなかった

後ろのおばあちゃんは自分で食べて

「ご飯5、おかず8」

と割合まで伝えて車椅子でさっさと行ってしまった

いつもトイレで顔洗ったり、髪をとかしたりする達者な人だ

綺麗な白髪

随分お年は上だろう

「負けてたらあかんやん」

と励ましたが、きっと病気が違うんだから仕方ない

仕方ないが励まさないと、もっと気落ちしてしまいそうで怖かった


それから看護師さんに預けているテレカをもらおうと思ったが

夜勤の人だけでわからなかった

なので玄関前まで行って携帯から祖母にかけた

これも母は『電話する』認識も衰えて忘れているから促した

「おばあちゃんの安否確認しなあかんねんやろ?」

と、無理やり母の役割を思い出させた

母は頷いて一緒に電話

やはり話すにも何を言うのか?すぐ忘れてしまうみたい


あれこれしてから看護師さんにお願いして、19時半に病院を後にした

面会時間も過ぎていた

帰りは泣かなかった

その変わり脱力


ライフに寄って適当にカゴに放り込んで帰宅

旦那がご飯を作ってくれてたが、旦那も言うように好き勝手に食べられるものだけ食べた

おかずをチマチマつまんだだけ

こちらも鬱みたいな胸の重苦しさだ

まぁ正常な反応と受け止めて、好きにさせてもらった


風呂はシャワーで顔とお下だけ綺麗にして、後は明日にする

自分を甘やかしておく


娘が22時を過ぎて布団に入る頃に幼なじみにメールした

昨年の今頃、お父さんを亡くした幼なじみ

他の幼なじみから聞いて連絡して、告別式だけ行ったその人の娘


続く