半年 3

続き


その子は葬儀のことも気を使って教えてくれなかったから

他から知った

だから私も今日まで我慢してきたが、やっぱり私には無理だった

『やっぱり私には無理でした。ごめん』

の言葉ももう決めてのメール

実家はすぐ側だが帰ってくるところだったみたい

電話することになり電話した


1時過ぎまで1時間半ちょっと話したか?

心臓のバイパス手術をしたと昔聞いた印象が残ってたし

バタバタしてる最中に亡くなった病名まで聞けず

結局1年

知ることがなかったが、胆のうがんだったと知った

「なんや」
「そうやったんか」

この幼なじみも告知はしなかったそうで、これまた同じしんどさを抱えてたんだとも知る

分かち合えて助かった

1年と言われて3年頑張って亡くなった

うちはもっと短いが、まだ終わってないんだよな

話してて言われたのだが、まだ食べられてる

母が言う2日はきっとまだない

脳転移の腫瘍があるから、コロッとはあり得るけども

だけどまだ終わってないんだ

帰ってきて電話で話すまでは、私ももう諦めモードだった

母が言う「後2日」でも半年は超えたぞ、と

シャワーしつつ、私らの質問に迷惑そうに感じたが、突き放すように答えた医師の顔が浮かび

『勝ったぞ!』

とか思った

すぐさま
『勝ち負けちゃうしな…。何を張り合う必要あんねん…。』
『アル中の悪い癖』

とかまた独り突っ込み


幼なじみとは他の話しも今までみたいに普通にした

泣くこともなく淡々と親の話しもした

これだけでも、私も随分変わったよね?

なんか、すごくない?

今までだったら有り得ない

この幼なじみには無理して感情を抑える必要もないんだから

変わったというより、やはり『変えてもらった』が正しいな

うん


スポンサーにがん患者の家族会とか行って話してみたら?と最初の頃に言われてた

一度電話したが繋がらず、流してきた

苦しいなぁと今日はさすがに思った

爆発しそうなのも苦しいが、鬱みたいになるのも辛い

んで幼なじみと話したら、うちと同じく告知もせずだった

他の家族が告知を反対したからとか


続く