いつまで痛い? 2

(続き)


あのカステラを私がどんな思いで食べたか?

あの女には分からないだろう


少し時系列がバラバラかも知れないが

カステラをつっかえしに来た時に

友達の祖母が言ってた

「くじらのすけちゃん気にして学校休んだんちゃう?」



母には分からなかったのか

分かってても見たくなかったのか

それは分からない

事実としてあるのは、あの女は私のことを守らなかったと言うこと

弟のことでは憤慨したくせに

子供心に親が出ないとアカンと思ったからお願いしたのに

鬱だったから?

だとしても気も狂ってなかったんだから

そのくらいの判断はつくだろうに


あの女は弟のことになると必死で守った

幼稚園や学校の先生に叩かれて鼻血を出したと聞けば

乗り込んで行って文句を言った

私は鼻血こそ出さなかったが先生に叩かれるなんて

うちらの時代ではよくあることだった

母は一回も私の為に乗り込んでったことはない


さっきの友達の隣に住んでた男の子は私達より

随分、年上だった

私はあまり話したこともなかったし

向こうも話そうとしなかったから苦手だった

友達は隣どおしだし仲も良くて

ある時抱きつきながらじゃれあってた

それを私は横で作り笑いをしながら見てた

足を踏まれて、偶然かと思いたかったが

こちらを睨み付けて友達には聞こえないように何か言った

私は怖くなって用事を思い出したと家に逃げ帰った


勿論、母に話した

母は
「勘違いかも知れんから、また今度そんなことがあったら言いに行く」

と言い私は悲しかった

勘違いじゃないのにと


ある時、長屋には誰もいなくて私だけの時

その年上の男の子は拳を握って殴る格好をして私を追いかけた

やはり怖くて逃げ帰り泣きながら母に話した

今度そんなことがあったらと約束してたのに

母はまたしてもその約束を破り

私は更に傷ついた

何故、私を守らなかったのが未だに分からない

私が可愛くなかったとしか思えない

また違った事実があるかも知れないが

私の心はあの時で止まっている


(続く)