人の目 4

(続き)


「子供置いてどこいっとったん?」

私にすれば半ば責め言葉

しどろもどろしながら

「ちょっと野暮用で」


「カッカッカ!」

と笑ってはくださった

その先までは詮索はしない

こういった会話はスーパーにはなく、商店街ならでは

旦那はこういうのが好きだ

私も今までは好きだった

けど、自分の行動がどれもやましく感じるから怖くなった


それに世間の目はやはりこうなのだ

母親が夜に子供を置いて家を空けることに対する反応

だから夜にミーティングに度々行く姿を見られたくもなかったし

これからもそうだろう

びくびくしながら平静を装った顔をして、電車に乗ってしまうまて怯える


夜ミーティング

いろんな意味でプレッシャーだしハードル高いのよ

仲間にしたら、わかんないだろうなぁ

私の生育歴がそうさせるのだから仕方ない

これらからも回復したいが、そんな簡単なもんじゃない

だから苦しい


夜ミーティングで電車乗ってまで行けないのは

本当に子供を置いて行けないから

こちらの理由の方が一番だ

人の目はどうにか切り抜けていたりするし

自分が気にし過ぎもわかっているから、怖くても頑張ってた

だけど実際問題

旦那が早く帰ってきたり

私も心配しながらバタバタするのも疲れ果てたのだ

体力的にも持たないし

だからお手上げした

近場の自転車で行けるミーティングには

また夜でも行くつもりはしている

何かあってもすぐに帰れるから


大将との会話でしどろもどろするのが嫌ならば
「買いに行かんかったら?」

と人はきっと言うだろう

だけどスーパーより安くて美味いのも理由なのだが

もうひとつある

それも結局は人の目だ

『円満に辞めたのに買いに行かないのは何故?』みたいな

大将にも
『避けてる』

と思われたくなくて

大将はそんなちっちゃいこと思う人柄じゃないのに失礼と思いつつ

私がそう思ってしまうことも止まらなくて苦しい

だから買いに行くと何かしらの会話が苦痛だし

苦痛だから足は遠退く

なのに遠退き過ぎても避けてると思われたくない

もうどっちもしんどい


(続く)